損益計算書&資金繰り表


この章の最後に、損益計算書と月次損益計算書、資金繰り表のフォーマットをご紹介しておこう。

前述した数値計画や売上シナリオの詳細を示す資料になる。

・損益計算書
用意したフォーマットでは5年分としている。まだ始まっていない事業について遠い未来まで詳細に見通すことなどは不可能であるから、せいぜい5年先までの見直しが出来ていれば十分だろう。

・月次損益計算書
これは月単位での売上や経費を記載したものになる。細かい項目が並んでいるが、実際に事業を開始して経営をしていくとなれば、このくらいの項目を管理していくことになる。重要なのは金額として大きい部分、原価や人件費、販促費、家賃などだ。ここでは詳細は説明しないが、経費には大きく家賃などの毎月必ず発生する固定費と、原価や販促費など毎月変わる可能性の大きい変動費がある。固定費を抑えて変動費で全体の経費バランスをとるようにするのか基本である。

・資金繰り表
こちらも詳しい説明は割愛させていただくが、資金繰り表というのは、毎月の資金の動きを示したものだ。損益計算書と違うのは、現金の動きを追っているという点だ。
帳簿上は売上があがっていても、入金が先になることはよくある。支払いサイト(請求してから入金されるまでの期間)が1か月であれば良いが、なかには3カ月先、半年先といったこともある。
「不渡り」「黒字倒産」という言葉を聞いたことはないだろうか。事業というのは、手持ちのお金がなくなってしまえば終わりである。売上が伸びていても現金が足りなければ事業の存続は危うい。そうならないようにあらかじめ試算して準備しておく。必要であれば運転資金の調達を行うなど、リスク回避策を検討しておこう。資金繰り表は事業の生命線ともいえる重要なものである事を覚えて頂きたい。

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この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

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