直接的な利害関係のある事業上のパートナーに対して、自社の事業についての説明を求められる場合がある。自社のボードメンバーや社員をはじめ、仕入れ先や販売先といった取引先などだ。自社にとって有益なアライアンスを組んだり、社内の経営陣や社員向けに自分の考えている事業内容を説明する資料としても、事業計画書を使うケースが多くある。
この場合のポイントは、数字よりも「話す相手の興味に合わせて焦点を絞ること」だ。
例えばアライアンスをお願いしたい先に提示するものであれば、相手にとって自社の事業がどれだけ有益なのか、あるいは今組むことで将来利益がどの程度見込めるのかなど、相手の会社側から見て「是非御社と手を結びたい!」と思わせるキラーコンテンツが必要になる。
場合によっては、キラーコンテンツ用のシートを1枚追加しても良いだろう。相手に一番響く内容を事業計画書のサマリー前に盛り込むことで、相手の感心を最初に惹きつけておくことが望ましいといえる。
社内の経営陣や社員へ向けた事業計画の説明資料として使う場合には、経営陣や社員の会社に対する帰属意識を高め、仕事に対するモチベーションを高められるような内容を盛り込む。
自分たちの事業が業界内で現在どのような位置におり、これから数年後にどのように成長していくのか。さらにその時、自分たちが社会に提供できる具体的な価値や存在意義はどこにあるのか。あるいはその理想的な状態を実現した場合に、各個人にとってどんな見返りがあるのかなど、夢を具体的な形で示すことが大切になる。
この場合のポイントは、「説明を受けただけでワクワクできる」ような内容になっているかどうかだ。
事業計画書は、自分の考えている事業内容を人に伝えるためのツールである。しかし当然、伝える相手の求めているものは人によって異なりますだろう。そのため、まず相手が求めているものは何なのかを徹底的にリサーチすることが大切になる。
事業計画書の基本フォーマットに全ての要素が盛り込まれているので、あとは相手に合わせて表現や伝えるポイントに強弱をつけ、相手の心を動かす事業計画書に仕上げてほしい。
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