まずは現場から


大前研一「ニュースの視点」より抜粋。

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 ▼現場を知ること。議員は積極的に工場見学をすべし
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 野田首相は19日、円高に苦しむ企業の国内投資を後押しするため、
 2011年度第3次補正予算案に、3000億円規模の雇用創出産業立地補助金を
 盛り込む考えを明らかにしました。

 また首相は同日、日産自動車工場や東京都大田区の自動車部品関連工場
 を視察し、中小企業向け支援を強化する方針を示していました。

 野田首相は工場の視察を終えた後、「現場を目の当たりにし、小説より
 はるかにリアリティを持って、こういう人たち、こういう仕事を支えて
 いかなければならないと実感した」と述べたとのことです。

 理想を言えば、首相になる前に100カ所くらい工場に足を運んで現場を
 見ておいてほしかったと思います。私はかつてパナソニックの工場を
 見学したことがありますが、やはり現場を見ていると感じるものがあります。

 テレビの組立工場を見学した時、工場のラインで働いているスタッフが、
 普通なら片手で1つずつ処理するところを、両手に工具を持って次々と
 処理していく様を見て、私も驚愕した覚えがあります。

 また2011年度第3次補正予算について、野田首相は日産のカルロス・ゴーン社長
 らと意見交換した後、「日産の電気自動車のモーター開発は補助金によって
 支えられたということだったので、2010年度予算で計上した1400億円の
 倍以上積み上げるくらいの措置を取らなければいけない」と述べたそうですが、
 カルロス・ゴーン社長に上手く利用されたという感が拭えません。

 もう少し、重く判断するべきだと思います。

 中国の工場に行くと、入り口には過去にその工場を訪れた要人の写真が
 飾ってあることが非常に多く、それだけ政治家も足を運んでいるということ
 でしょう。

 これは他の代議士に対しても言えることですが、産業政策を押し進める立場に
 あるなら、現場を知ることは非常に重要であり、工場見学などはうってつけの
 好機だと思います。

 議員になってからでも遅くは無いので、是非現場に直接赴き、実感する場面を
 自ら積極的に持っていただきたいと思います。

-------引用ここまで

私も現在たくさんのコンサル業務を行っているが、現場に足を運ばずに
コンサルティングを実施することは絶対に出来ない。
経営者の話を聞いて、それだけで仮説を立てて動いてしまうとシッペ返し
を食らってしまう。経営者ですら気づいていないFACT=事実を
つかむことがとても大切だ。

外資系コンサル時代によくアナリスト業務といって現場まわりをよく
させられた。最初のうちはなんで「こんなめんどうなことをするんだ」と
思っていたが、だんだんその重要性がわかって来た。
実際、コンサルの現場の仕事の8割以上はこうした徹底的な現場リサーチ
にあることが多い。提案書を書いたり、プレゼンをかっこよく決めたり
などというのは全体の仕事の1割もないだろう。

そういえばこんな映画のセリフがあったのを思い出した。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」

青島刑事のスタンスを政治家にも是非持っていただきたい。

<今日の記録>
RUN:膝痛でお休みです。
体重:84.5kg 体脂肪率21.5%


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この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

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