事業計画書フォーマット 基本編


まず、事業計画書の基本について理解しておきたい。最初に事業を思いついた時に、その内容をきちんと事業計画書の形にまとめるためのフォーマットである。利用シーンとしては、「会社設立」時に利用することが一番多い雛形だ。

独立して会社を設立する際には、知人や他企業への事業説明が当然必要になる。配偶者や親族などの理解を得ることや、役員への就任依頼、株主の募集、資金借入などの目的で、事業内容を説明し協力してもらう必要もきっとあるはだ。この段階できちんとした説明ができなければ、会社を設立すること自体を断念するケースもあるだろう。またこの時期には、特に事業計画書の書き直しが度々発生することが想定される。しかしその作業を何度も繰り返しているうちに、自分自身でこれから始める事業のイメージが明確になり、より具体的な事業計画を考えられるようになってくるはずなのだ。

ここで事業計画を練ることにより、実際の事業で考えられるリスクを事前に想定することも可能である。つまりは、そのリスクを回避できる可能性も高くなるわけだ。実際に事業が開始されてからでは日々の実務に割く時間が多くなってしまい、なかなか落ち着いて考えることができない。起業前の十分な時間が確保できる間に、事前に事業計画を細部まで精査し、無駄なリスクを避けるようにしよう。

事業計画書の、一般的なフォーマットをダウンロードすることができる。フォーマットには、以下の項目が盛り込まれている。

・表紙
・サマリーフォーム
・目次
・事業の背景と目的
・事業の内容
・市場環境
・競合優位性
・ビジネスモデルの検証(経営プランの確認)
・マーケティング・販売計画
・事業目標
・収支計画
・想定リスクと対応策
・資金計画
・今後のスケジュール
・会社概要・経歴・連絡先
・参考フォーマット集

最初から全てを埋める場合、まずは出来るところから作成を進めていこう。初めは穴だらけの計画でも、まずは自分がどこまで具体的に考えられているかを試すつもりでチャレンジしてみてほしい。

一度書いてみたら、客観的な目で内容を見直して修正を行う。また埋まらない項目がある場合には、その項目について書き出し、今後どのようにしてその項目を埋めるのかの方法を考えてみよう。書籍やセミナーで勉強したり、先輩経営者に聞いたり。あるいはドリームゲートで相談するなど、その方法は何でも構わない。最初は分からないことだらけでも、事業計画作成の段階でこうした知識を補充しておくことは、起業後に必ず役に立つはずだ。起業前のひとつの修だと考え、是非頑張ってもらいたい。

このフォーマットに書かれている全ての項目を埋めることができれば、事業計画の基本的な要素は満たされていることになる。次の章以下では、事業計画書を提出する相手によってこのフォーマットをどのようにアレンジしていけば良いかを説明したい。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

コメント

コメントする

目次
閉じる