昔から宗教、精神世界では、一般的な物理学の時空概念を超えることが
当たり前のように言われてきました。
偶然の一致であるシンクロニシティ(共時性現象)、
その発生メカニズムを突き詰めて考えると、
どうしても常識的な一元的不可逆な時間という概念を
崩さざるえなくなります。
最新の超ひも理論などによって、粒子と波の状態が短い時間で絶えず
入れ替わっており、般若心経における「空即是色 色即是空」の状態
が実際に今現実に起こっていることが科学的に認識されてきています。
シンクロにシティについても、まだ私たちが五感で認知できない
何らかの未知のエネルギーによって生み出されている現象なの
かもしれません。
ある時、ふっと長く会っていない昔の友人のことを思い出し、
その直後に行った会合で偶然にその友人と出会うことがあります。
これが偶然に起こったことではなく、シンクロニシティという
必然の因果律によって導かれたものであるとするのであれば、
その「昔の友人を思い出す」という “因” (原因)が、
「会合で友人と出会う」という “果” (結果)を作り出したことになります。
しかし昔の友人を思い出すという因が生じた後に、その友人と出会うという
縁(果)が導かれたのでしょうか。
数多くのシンクロニシティ現象を振り返ってみると、上の例と同様に、
「思い」という「因」が、時間を過去にさかのぼって事象を変化させ、
近い将来起こるであろう “必然の出会い” という「果」を導き、
生じさせたと思わざる得ないことが多いのです。
不思議で強烈なシンクロニシティを体験するたびに、
人間の想念は、一元的な時間の概念を超え、
自由に過去、未来を行き来しているのではないかと思います。
臨死体験をして、肉体から完全に意識が離れてしまい、
時空を超越した経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
または夢の中でも特に明確で自分で意思をコントロールできる明晰夢
の状態を体験された方もいらっしゃると思います。
もし数あるこうした不思議な話が真実であるとするならば、
我々の想像をはるかに超えた自由度で、時間・空間を移動することが
可能な世界が実は存在していると思えてなりません。
古の時代から、宗教、精神世界の聖者、指導者達は、
絶対的な力を持つもの(神、サムシンググレート・・・)に対して
このように述べてきました。
「神は私たちの最も身近なところにいる・・・」
「神は私たちに常に陰のように寄り添っている・・・」
「私たちの周りは、目に見えない世界に取り囲まれている・・・」等々
これらの言葉は、どのように解釈すればいいのでしょうか。
ひとつの考え方として、私たちの住むこの3次元世界より、
さらに高次元な世界が密接して存在し、常にその影響を受けていると考えれば、
これらの言葉は容易に理解することができます。
より高次元の世界はどうしても頭で理解しにくいので、
全体の次元をひとつ下げて考えてみるとわかり易いかもしれません。
私たちが縦と横、ふたつの方向性しかない2次元平面の存在だとしてみましょう。
2次元平面に住むものにとって、
3次元空間を頭で理屈を知ったとしても、体感的に理解することは絶対に不可能です。
2次元空間が金魚鉢の底のような平面だとしたら、
その金魚鉢いっぱいに3次元的量を持つ水を満たしたとしても、
その水の存在を認識することはできません。
しかし水は歴然と存在し、
常に金魚鉢の底である2次元平面と密接に接触しているのです。
高次元の断面は一つ下の次元を表現しているという考え方があります。
1次元の「線」の断面は、0次元である「点」
2次元の「面」の断面は、1次元である「線」
3次元の「立体」の断面は、2次元である「面」
4次元の物体の断面は、3時怪訝である「立体」
たとえば、4次元の物体を、3次元の物体に時間軸をもたせた物体で
あると考えて、その時間軸で4次元の物体を切ってみると、たしかに
それぞれの断面において3次元の立体が現れます。映画のフィルムを
思い起こして頂ければわかり易いと思いますが、実際に動いている
物体をそれぞれの断面で切ってみるとその瞬間瞬間の物体が静止した
状態で表現されることになります。
目に見えず、通常は体感することができないが、
私たちの生きる上のすべての面において絶対的な影響力を与えるもの、
神、天、創造主、サムシンググレート・・・、そういうものがもしあるとするならば、
それは、私たちの存在する3次元、または4次元よりも上のより高次元の存在なのかも
しれません。
どんなに広い厚さゼロの紙(のようなもの)を何枚重ねても、
厚みが増すことはありません。
ゼロにはどんな数字をかけても、また無限大をかけ合わせてもゼロのままです。
どのように三次元空間的に巨大なものであったとしても、
4次元、5次元・・・、より高次元的スケールで見れば、
取るに足らない微少な存在であるといえるでしょう。
ですから、この3次元世界に、密接したより高次元世界からの
アクセスがあるとするならば、
その影響力や力は、我々の思考の限界を超えた絶大なものである可能性があります。
リサ・ランドールという若き天才物理学者の提唱する新しい宇宙理論が、
今全米の注目を浴びています。
2006年1月11日号のNewsweekでは、
2006年世界のキーパーソンの一人に選ばれています。
彼女は実験によって素粒子を観察している過程で
突然実験空間から姿を消す素粒子を発見し、
その理論的解明に取り組んだ結果、
私たちが住み、知覚しているこの四次元世界(時間と三次元空間)と密接した形で、
時間、空間ともにひとつ次元の高い、五次元宇宙が存在しているのではないか
という理論に到達したのです。
五次元宇宙には、四次元世界が折り重なるように多層的に存在し、
その間を重力子を通して情報のやり取りをしているとのことです。
2007年には、スイスのジュネーブに建設中である
世界最大規模の衝突型加速器「大型ハドロンコライダー(LHC)」が完成し、
7兆電子ボルトで加速された陽子同士が正面衝突することにより、
彼女の想像した「五次元宇宙」証明への扉が開かれるかもしれません。
「宇宙は私たちが考えているよりも大きく、豊かで、変化に富んでいる」
(リサ・ランドール博士)
未来への扉が開く時は、もう目の前まで来ています。
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