この世の中は絶えず変化をしていて、それぞれが
いろいろなかかわり合いをもって生きています。
生きるということは、循環することにほかなりません。
循環することは、生物にとっての一つの法則であり、
またそれを無視するととても大きなしっぺ返しを受ける
ことになります。
生物の仕組みのフラクタルが組織や社会に対して転写
されています。ということは組織や社会が永続するためには
きちんと循環サイクルを考えて設計をして活動しなければ
なりません。
ところが、今の地球、我々の維持している現代文明においては、
残念ながら、この循環サイクルがまったく機能していません。
地球的規模の森林伐採が進み、今この瞬間も地球上の植物は
減少の一途をたどっています。
植物と動物は陰と陽の関係です。
植物が光合成によって排出した酸素を動物がエネルギー源とし、
動物が排出した二酸化炭素を植物が取り込む。
この植物と動物の織り成す陰陽の循環サイクルが、
植物の急速な減少によって崩れようとしています。
人類は、「高度な科学技術」を用いて、数多くの
化学物質を作り出してきました。
その化学物質のほとんどが、土、自然に還らず、
還ったとしても非常に長い年月を必要とするものです。
今この循環サイクルに乗らない化学物質による汚染が、
南極、北極のような極地も含めて地球全土に広がっています。
地球上の生態系、循環サイクルは、極めて数多くの動植物の
奇跡的な共生関係の上に成り立っています。
人類は、経済、文化の発展の名の下に、
数多くの種類の動植物を絶滅させ、また絶滅の危機に追いやっています。
人類の循環サイクルを無視した破壊的行為が、
もう地球生命体ガイアの許容範囲を超え、
その通常の免疫力では処理しきれなくなってきています。
共生、循環、ひとつのシステムを大きく全体から見るマクロ的(巨視的)思考は、
これまで主流だったミクロ的(微視的)思考とはまったく相反するものです。
生活のある局面における利便性のみを追求し、
そこから生み出される様々な弊害、他のものへの影響ということを
まったく考慮しないミクロ的思考=エゴ的思考が地球の循環サイクルを
破壊させた一番の元凶であると言えます。
ミクロ的思考そのものが悪いのではありません。
それのみに偏り、大局的、マクロ的な見方を併せ持つことができなかった
これまでの科学偏重思考が問題なのです。
科学で分かっている範囲などとても狭い世界の一部分の話です。
そこだけをとって万物をコントロールしようとするそのエゴの心が
すべてのバランスを崩しています。
経済を発展させ、いかに「物質的に豊かな暮らし」を実現さすかという取り組みと、
自然環境をいかに守るかという話し合い、これらが別々のテーブルで行われるという
こと自体おかしなことだということに気がつかなければなりません。
二極性から融合の時代へ向かう今こそ、この矛盾にきちんと目を向けて地球全体を
俯瞰で見る目を私たちは持たなければならないと思います。
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