リスクを取らない責任


昨晩、ニュースステーションにソフトバンクの孫社長が
出演されていました。今回の米国携帯電話会社買収の話を
いろいろとされていました。

その話の中で特に共感できたのが「リスク」に対する考え方。
今の日本企業はリスクをとることができず、海外への進出
チャンスを逃しているとのこと。
ホンダやSONYや松下電器が、高度成長期にリスクをとって
世界へ進出したのに比べて、今の方がよっぽど恵まれている
にも関わらず、今の日本の大企業の経営者はそのリスクを取ろうと
しないため、せっかくのチャンスを失いつつあると猛烈に指摘されて
いました。

確かに日本人は責任の取り方が欧米と比べて下手で、なかなか
そのリスクを取ろうとしません。特に官僚組織で多いのが
マネジメント層が全く決定しないという現実。
何かを決断してやったことによる失敗リスクを背負うのが怖くて
なかなかその一歩が踏み出せないという状態になるわけです。

ところが、よく考えてみると、何かをやって失敗するリスクも
ありますが、何もしないで結局没落していくという見えないリスクも
別に存在します。日本社会はこの「なにもしないリスク」に対する
認識が甘く、また何もしないことに対する責任を追求する文化が
ありません。

何かをしたことで起こるリスクを背負うことも大切ですが、
それ以上にこれだけ様々なことが急激に変化している世の中
ですから、何もしないことでいろいろなチャンスが失われている
リスクも実際にはかなりあるはずだと思います。

釜の中の茹で蛙のように、失敗するリスクばかり恐れていて
何もしない状態を継続することで、いつのまにか死んでいた
なんてことにならないようにしたいものです。


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この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

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