違いを生み出す違い


今回は、違いを生み出す違いということについて、
航空会社の例を使って記述したい。

そもそもこのコンセプトはジェームススキナー氏がセミナーで
よく言っている言葉である。
全ての事象をこうした視点で観察すると、効率よくKFSを見抜く
ことができ、コンサルタントとしては必須の着眼点だ。

現在、世界の航空市場では、2つの大きな現象が起こっている。
第一に国内便を持っていない国の航空会社が世界市場において
強くなってきていて、そうした会社の時価総額が上がってきている。

時価総額トップ5に入る航空会社の中で特に目立つのが、
エミレーツ航空とシンガポール航空だ。
エミレーツ航空はドバイの航空会社だが、ドバイは遊覧飛行以外、
国内便がない。シンガポール航空も同様である。

一方、自国内で政府に守られて海外でダンピングしているような
ビジネスモデルの航空会社がみんな停滞したり倒産したりしている。
(JAL、UNITED、カンタスetc)。政府に過保護に守られていることで、
企業努力を怠っている結果がそのまま業績に現れてしまっているわけだ。

もう一つは航空業界におけるディスカウンターの成長が著しく目立つように
なってきている。
例えばサウスウエスト航空などは、同じジェット機でもどこよりも安い
航空運賃を提供している。
なぜ、そうした料金が可能になるかといえば、機材は新品を使わず
全部中古で対応し、着陸料金の高い空港は使わないと徹底しているため、
着陸コストが低く押さえられているからだ。

また、スタッフも一人三役でパイロットが荷物を預かったりするし、
機内サービスはなくて、欲しいものがあったら自分で買うというように
これまでの常識を覆して新たな価値にフォーカスしたサービスが
提供できるようになっている。

さらに進んだ例でいえば、2時間以上飛行機に乗れば無料、
という航空会社も出てきている。
そのからくりは、機内でギャンブルをやらせている点にある。
2時間以上、ギャンブルをやったら実際には航空料よりも高い
キャッシュが使われるのだそうだ。
(ラスベガスのホテルが格安で泊まれるのと同じ理屈である。)
ちなみにこの航空会社の収益性はヨーロッパでトップ。
しかも、安全レコードもトップクラスを維持しているということだ。

こうした航空会社の例は、ビジネスの土俵が同じであるため
とても分かりやすい。同じ飛行機を飛ばして如何に顧客を獲得し
利潤を得るかというシンプルな競争において、一方は伸びて、
一方はだめという結果の違いが生まれるのは、一体なぜなのか?

僕は、会社経営においても、ビジネスの組み立てにおいても、
一つ一つの仕事においても、その結果に差が生まれるのは、
結果の違いを生み出している核となる原因の違いがあるからだと考えている。

この「違いを生み出す違い」を注意深く観察し、自分のものにして
実行することが、良い成果を最短で生み出す上で必要不可欠である。
たとえば、営業の仕事でも、営業担当者の潜在能力にはほとんど
差が無いはずなのに、実際、毎月の営業成績に大きな差が生まれるのは、
本当にちょっとした工夫や、お客様に対するこだわりの違いによるところが
大きい。
逆に言えば、その違いさえきちんと把握して同じように努力すれば、
誰でも成果を残すことができるはずである。
イチロー選手がコンスタントな成績を上げるために、徹底した生活面の管理を
行っているのは有名な話である。そうした小さな違いの積み重ねが平凡と
非凡の大きな差となっているのではないだろうか。

仕事で成果を挙げるためには、まず自分がモデルとする人の
仕事のやり方を観察して、成果を挙げているポイントを
きちんと理解することが大切である。
次にその違いを頭で分かっているだけでは意味が無いので、
それを自分のものにする=自分で行動できるまで徹底的に
訓練することが必要となる。
本でいくら勉強して知識が増えても、実際に自転車に乗る訓練を
しなければ自転車には乗れないのと同じだ。
毎日繰り返される仕事の中で、この「違いを生み出す違い」に意識を向けて、
自分で仮説を立てて検証をしつづけること、
そしてその仮説に確証が持てたら、自分のものにするために
訓練を継続することの積み重ねが、後々大きな力の差となって表れる。
何も考えずに日々繰り返しの仕事をしていても成長することはないし、
それで結果が出ているのは単に運が良かっただけで再現性が無い。

この違いを生み出す違いを意識し、学習することを地道に続けたいと思う。

<今日の記録>
RUN:15km(今月40km 今年740km)
体重:80.9kg
体脂肪率:18.9%
摂取カロリー:2500
消費カロリー:▲3500
TOTAL:▲1000(▲21360)

<今日の食事>

朝:ひげパン+コロッケ+メンチカツ

昼:カルビ定食

夜:おにぎり

ごめんなさい! 写真取り忘れちゃいました。。。


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この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

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