値段をつけるということ


今日もたくさんのアポイントがあった。
全然別のビジネスのお話なのだが、ふと共通した
ポイントがあったことに気づいたので書き残して
おきたい。

世の中のビジネスのうち、そのほとんどは本来
自分で手に入れられるものに意味づけを行い
価値の再認識を行って、値付けをして人々に
販売している。

たとえば水。昔であれば水にお金を払う人はいなかった。
ところが今ではコンビニにたくさんの水が売っている。
無論海外の特別な場所や国内の特別な場所から取り寄せて
いる分、とてもおいしい水なのだが、それにしても余裕が
なかった昔はこのような水を販売しても購入する人は
皆無だっただろう。

育児ビジネスや介護ビジネスも同様だ。昔は家族や地域で
対応するのが当たり前だった。ところがそうした既存の関係
が希薄化する中で新しいビジネスとして始まり、今では
大きな市場を形成している。

結局商売とは人にいかに商品やサービスの価値を認識して
いただいて、そこに対価を払っていただくかに尽きる。
たとえそれが石ころであっても、価値を認めてお金を出したい
と思っている人がいれば、そこに商売が成立する。
逆に言えば、どんなに原価の高いものを仕入れても、そこに
顧客がいなければ商売は成り立たない。

昔であれば不可能だった商売もネットというツールを使う
ことによって可能になっている。いわゆるロングテール市場
という昔であれば採算が合わないと考えられていた市場でも
今では十分に商売が成り立つ。

生きていくのに十分な物がそろっていれば、それ以外の
ものについてはどんどん個人の趣向に従ってニーズが多様化
する。今はその多様化がどんどん進んでいる時代で、それに
対応できない企業は大きく売上を落とすことになる。

アイポッドやアイパッドなどの商品も一見同一商品のように
見えるが、中身は個別ニーズに対応できる商品だ。多くの
アイアプリを組み合わせることにより、自分独自の端末に
仕上げることができる。シンプルと多様性の共存、それが
これらの商品の強みとなってブレイクしている気がする。

でも考えてみると、世の中で本当のビッグビジネスになっている
のは必要不可欠な商品に値段をつけている企業だ。
電気、ガス、水道などのライフラインはもちろんのこと、石油
などの資源ビジネスなどがこれからますますその勢力を強めて
いくことだろう。(代替案が発見されなければ。。。だが。)

新規ビジネスを考える場合、個別ニーズを追ってニッチ産業の
中で立ち上げていくか、基幹ビジネスで本来無料で手に入る
べきものに価値をつけていくかを考えることで、面白い考察が
できるかもしれない。

今関わっているビジネスもこうした切り口で見ていくと
いろいろと新しい発見があったりするからおもしろい。


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この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

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