今日は、八紘一宇という概念について
少し語りたいと思います。
八紘一宇とは「世界を一つの家にする」を意味する
比較的新しい言葉です。
第2次世界大戦中に日本の中国,東南アジアへの侵略を
正当化するためのスローガンとして用いられました。
『日本書紀』のなかにみえる大和橿原に都を定めたときの
神武天皇の詔勅に
「兼六合以開都,掩八紘而為宇」
六合〈くにのうち〉を兼ねてもって都を開き,
八紘〈あめのした〉をおおいて宇〈いえ〉となす
とあることを根拠に,田中智学が日本的な世界統一の原理として
1903年に造語した言葉です。
国をおさめるうえでの神武天皇のスローガンである
I can do itとかYes we can のことを意味しています。
「八紘」は「8つの方位」「天地を結ぶ8本の綱」を意味する語であり、
これが転じて「世界」を意味する語となったようです。
「一宇」は「一つ」の「家の屋根」を意味します。
人種も風俗も無視して一つにするという意味ではありません。
白人黒人東風西俗色とりどりの天地の文、それは其儘で、
国家も領土も民族も人種も、各々その所を得て、
各自の特色特徴を発揮し、燦然たる天地の大文を織り成して、
中心の一大生命に趨帰する、それが爰にいう統一であります。
これからのことから考えると
「八紘一宇」の本来の意味は素晴らしい意味で、
「全世界の民族があたかも一つの家に住むかのように平和に暮らすこと」
になります。
今まさに、私たちに求められている大切な概念といっても
過言ではありません。
でもこれを戦争の手段のために使ったのが悪かったわけです。
そのために、本来の意味とは程遠いエネルギーが与えられ
人々の洗脳と煽動のために使われてしまったわけです。
原子のエネルギーを発見したアインシュタインも
原爆に悲しんだように、きっと田中智学さんも
この使われ方には悲しんだことでしょう。
結局言葉が素晴らしくてもその使い方によって
それは良いものにも悪いものにも転化してしまいます。
戦争によって汚されてしまったこの言葉を
今の時代だからこそ、もう一度その本質を理解して
正しい方法で世界をこの方向へと導かなければなりません。
争いではなく、統合のエネルギーから
この言葉の意味する社会を実現できるかどうか。
それが今の私たちに与えられている
大きな問いであり、課題だと私は思います。
悲しい経緯から今の言葉からはほとんど消し去られて
しまっている言葉ですが、
ぜひとも知っておいてほしい言葉です。
今日はここまで。
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