生と死が共存する瞬間


キャンプ生活二日目の夜中。
衝動を抑えられなくなり、
フィッツロイの手前の山に
一人でアタックする。

IMG_0153

ほとんどブリザードに近い状態。
積雪はどんどんひどくなり
山頂に近づくころには、ひざ下位まで
雪に埋もれることに。

雪山

アイゼンもなく、
何ももたない体一つで
雪山に深夜一人の状態。

さらに登って来た道が、
雪で全くみえない状態に。

登ってきたはいいが、降りれない。
ただただ恐怖心だけが襲ってくる。

そんな状態に自分を置いてみると
生に対する執着心が実感できる。

ああ、自分も生きたいのだと。

恐怖心は肉体を強ばらせる。

まずは全身から声を出して
勇気を奮い立たせる。
その後、10分間静かに瞑想して、
恐怖心を自分から追い出す。

冷静に山肌をライトで照らしてみると
道は見えないが、案内ポストが点々と見える。

そのポストの案内だけをたよりに、崖に近い
雪道を足場もわからない状態で降りていく。

一歩踏み外せば命がない状態。
一歩一歩が重たくて、一瞬も気が抜けない。

生きていることと死んでいることの
境界線にいる状態を吹雪の中
2時間にわたり、心から味わってみる。

ああ、生きている。

今、生きている。

リアルにそう、感じられた瞬間だった。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

静岡県出身。東北大学工学部応用物理学科卒。
1993年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。大手会計システムの設計・開発・データ移行に携わる。同社戦略グループへ配属後、医療法人システム導入PJT、大手石油会社業務改革に従事。同社を退社後、個人で複数の中小企業を相手に経営診断、営業支援を実施した後、1998年(株)ベルハート入社。発信型テレマーケティングメソッドの開発・導入指導をしつつ、1999年Bell Heart Inex Le Corp.代表として台湾へ赴任。同事業黒字化の後、代表退任し帰国。

2000年(株)ラストリゾート入社。国内拠点、海外拠点の拡大に従事。同年、同社取締役。2002年、同社取締役事業本部長就任。2006年代表取締役に就任。2009年同社代表退任後、数々の新規事業、新会社設立に参画。コンサルティングや経営参画しつつ、多くのプロジェクトに足を突っ込む根っからのお節介。
生涯調達資金額が70億円を超える資金調達のスペシャリスト。

コメント

コメントする

目次
閉じる